「パーソナルジムを開業したいけど、一体いくらくらい資金がかかる?」
「パーソナルジムを開業するには、何にお金が必要なの?」
将来パーソナルジムの開業を検討している方は、予算の把握や資金繰りなど、お金に関する悩みが最も大きいのではないでしょうか。
本記事では、パーソナルジムを開業するために必要な資金とその内訳を、店舗開発経験のある現役トレーナーがくわしく解説します。
パーソナルジムの開業に興味がある方は、ぜひチェックしてください!
パーソナルジムの開業に必要な資金5つ
パーソナルジムを開業するために必要な資金は以下の5つです。
1.物件取得費
2.内装工事費
3.設備投資費
4.広告費
5.6ヶ月分の運転資金
それぞれ解説していきます!
物件取得費
パーソナルジムを開業するには、店舗を構えるための物件取得費が必要です。
物件取得費とは、テナント契約する時に必要な費用の総額です。
一般的には、以下の4つの項目が含まれています。
※別途、保険料や造作譲渡料が発生する場合があります。
保証金
保証金とは、一般住宅の賃貸における敷金にあたります。
テナントの賃貸では原状回復費用としてではなく、賃料を滞納してしまった場合の預かり金として6ヶ月程度の費用がかかります。
都内一等地では、12ヶ月分の保証金が必要なケースもあるようです。
保証金は預り金扱いとなるので、賃料の延滞がない場合はテナント退去時に返却されます。
ここで注意しておきたいことは、全額返金されるのではなく、償却費が差し引かれた分だけ返却されることを覚えておきましょう。
礼金
礼金は、物件契約時に賃料に上乗せして家主に支払うお金です。
保証金と違い、退去時の返金はないので注意しておきましょう。
一般的には0〜2ヶ月分の金額が目安です。
しかし最近は、入居から2ヶ月はフリーレント(賃料が発生しない)の物件などもあるため、実質無料の場合もあります。
礼金が発生するかどうかは、テナント契約時に条件をよく確認しましょう。
仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に物件を仲介してもらい、契約に至った時に手数料として不動産会社に支払うお金です。
仲介手数料は賃料の1ヶ月分と法律で決まっており、おもに契約時に支払います。
物件の更新をする場合(一般的には2年更新)には、更新料として賃料の1ヶ月分が都度生じることは覚えておきましょう。
前家賃
前家賃とは、入居月と翌月の家賃のことを指し、契約時に先払いするのが一般的です。
初月は日割り計算が適用されるので、最大で2ヶ月分必要になります。
入居するタイミングによって金額が変動するので、開業日に合わせていくらかかるか、契約時にしっかり確認しましょう。
ここまで4つの物件取得費を紹介しましたが、実際にいくらかかるのでしょうか。
たとえば、賃料が15万円の物件を取得する場合、大まかな内訳は以下となります。
- 保証金:90万円(6ヶ月想定)
- 礼金:30万円(2ヶ月想定)
- 仲介手数料:16.5万円(消費税込み)
- 前家賃:33万円(月初からの入居で管理費1.5万円/月)
上記を合計すると、約170万円となるので目安として覚えておきましょう。
内装工事費
借りた物件によっては、内装工事費がかかるケースもあります。
パーソナルジムを開業する場合、つぎのような物件がおすすめです。
・スケルトン物件
・居抜き物件
スケルトン物件とは、壁の塗装などの内装が全くされていない、コンクリートが剥き出しの物件のことをいいます。
内装を一から始めるのでお金がかかりますが、レイアウトの自由度が高く、希望の内装を実現しやすい特徴があります。
一方、居抜き物件は、以前の所有者が施した内装・設備がそのまま残っている物件のことを言います。
すでに、内装が整っているので、新たな設備投資が少なく、開業費用を抑えやすいです。
居抜き物件では、残っている設備に対し造作譲渡料(内装や設備を引き継ぐために支払う費用)が発生するケースもあります。
パーソナルジムの開業をする場合、内装工事費の目安は以下のとおりです。
・スケルトン物件:40万〜60万(1坪あたり)
・居抜き物件:15万〜30万円(1坪当たり)
たとえば、約10坪のスケルトン物件を借りる場合、内装費は最低でも400万円(40万×10坪)ほどかかることになります。
設備投資費
パーソナルジムを開業するには、さまざまな設備機器・家具などを購入する設備投資費もかかります。
設備投資には以下のようなものがあります。
1:トレーニング器具
2:PC、タブレット、プリンター
3:体組成体重計
4:カウンセリングテーブル・机
トレーニング器具
パワーラックやバーベル、ダンベルなどトレーニングに必要な器具は欠かせません。
値段はメーカーや機能にまちまちですが、お客様にサービスを提供する上で耐久性・安全性
はとても重要です。
また、パーソナルジムでは限られた場所でなるべく多くの種類のトレーニングを行います。
少ない機材で多くのトレーニングをするため、マルチラックという多機能パワーラックを選ぶことが多いです。
パーソナルトレーニングに必要な器具を一通りそろえる場合、総額で100万円程度が相場となります。
EAGLE BASEで使用するトレーニング機器は、プロが使う高品質なMBC POWERを採用しています。
PC・タブレット・プリンター
顧客管理や入会申し込みの確認をするため、PCやプリンターなどの事務機器も必要です。
メーカーを問わなければ、総額で15万円程度あれば揃えられます。
体組成体重計
パーソナルトレーニングで着実に成果を出すためには、体組成体重計も必要です。
体重だけではなく筋肉量や体脂肪率まで計測できるので、お客様一人ひとりの効果測定に欠かせません。
高精度タイプの方がより正確なデータを収集できる一方、購入費用は約100万円ほどかかります。
フィットネス業界ではInBodyというメーカーがNo.1シェアです。
EAGLE BASEでは全店舗にInBodyを導入し、お客様一人ひとりの目標に最短でアプローチできるようサポートしています。
カウンセリングテーブル・棚
新規来店者のカウンセリングに使うテーブル・備品や、荷物を置く棚など、最低限の家具は必要です。
こだわりが無ければ、IKEA・ニトリなどで購入すると10万円以内で購入できます。
ここまで紹介した、それぞれの費用の目安は以下のとおりです。
- トレーニング器具:100万円
- PC・タブレット・プリンター:15万円
- 体組成体重計:100万円
- カウンセリングテーブル・棚:10万円
合計で225万円ほどの費用がかかると覚えておきましょう。
広告費
パーソナルジムを開業するなら、集客にも力を入れなければなりません。
多くの人に周知してもらうため、様々な媒体・メディアを使って宣伝するので、広告費も必要になります。
広告費には以下のようなものがあります。
・ポスティング
・新聞折込チラシ
・ビラ/テッシュ配り
・リスティング広告(Google、Instagramなど)
さまざまな手法があり、費用も数十万~数百万と幅広く、ご自身の予算に合わせて複数かけ合わせるのがおすすめです。
たとえば、開店前1ヶ月くらいからリスティング広告やティッシュ配りを始め、空き時間に地道にポスティングをすれば認知も広がっていきます。
開店1か月前を含む約3ヶ月間広告を出す場合、50万円ほどあれば予算としては申し分ないです。
また、Googleビジネスプロフィールに登録しておくことで、Google検索やGoogleマップに店舗情報が掲載されるようになります。
Googleビジネスプロフィールは無料で運用できるので、登録して損をすることはありません!
開業する店舗の立地条件などをみて、広告費にいくらかけられるのか事前に把握しておきましょう。
6ヶ月分の運転資金
開業してからしばらくの間は、まだお客様が少なく、経営面で赤字となってしまう可能性があります。
赤字経営になってもしばらくはパーソナルジムを運営できるよう、約6ヶ月分の運転資金を開業前に確保しておくのが重要です。
パーソナルジムの開業に必要な運転資金としては、以下の項目が挙げられます。
・テナント賃料
・公共料金、通信費、システム利用費、消耗品費
・オーナーの人件費
・初期投資の回収
店舗の売上が毎月100万円を継続して超えられれば、初期投資の回収を含めても赤字になることはありません。
しかし、開店直後から100万円を売り上げることは非常に難しいです。
仮にオープンから半年間の売上平均が50〜60万円だった場合、場合によっては赤字経営になるリスクが増えます。
そのため、開業する前に、開店後半年分を想定した売上金額である「50万円×6ヶ月=300万円」ほど用意しておきましょう。
足りない分をカバーできるので、気持ち的にも安心です。
パーソナルジムを開業するための資金総額は?
ここまでご紹介した、パーソナルジムを開業するために必要な資金総額の目安は、以下となります。
1:物件取得費:170万円
2:内装費 :400万円
3:設備投資費:225万円
4:広告費:50万円
5:6ヶ月分の運転資金:300万円
合計金額は約1,200万円となり、この金額を自己資金のみで用意するのはとても大変で危険です。
銀行や信用金庫は、実績がある企業に対しては融資してくれますが、これから始める場合には融資をしてくれません。
融資の可能性が低いのであれば、日本政策金融公庫の利用を検討しましょう!
日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者に向けて融資を行う、財務省管轄の政府系金融機関です。
民間の金融機関と比べると、以下のメリットがあります。
・創業初期でも融資の審査が通りやすい
・無担保・無保証人でも融資を受けやすい
・条件次第では金利が低く利用しやすい
必要事項を満たしていれば、小規模事業者でも申し込みができ、実績がなくても融資を受けられます。
ただし、日本政策金融公庫の審査は甘くありません。
審査通過率が50%前後となるため、申し込んだ事業者の約半数は審査に落ちています。
パーソナルジムの開業のために融資を検討している方は、手続き内容を把握し、しっかりと準備し申請しましょう。
まとめ
今回は、パーソナルジムを開業する場合、どれくらいの資金が必要かくわしい内訳を解説しました。
最後にもう一度確認しましょう。
1:物件取得費:170万円
2:内装費 :400万円
3:設備投資費:225万円
4:広告費:50万円
5:6ヶ月分の運転資金:300万円
合計すると約1200万円ほどが必要となります。
自己資金だけで必要資金を賄うのは難しいので、日本政策金融公庫の利用も視野に入れて 開業準備を進めていきましょう。
パーソナルジム「EAGLE BASE」では、無料体験を実施しています。
興味のある方は、まずはお近くの店舗へお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
執筆者紹介

- 藤田 悠介
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